2018年6月11日月曜日

Mavic Open Pro UST【手組ホイールへの挑戦その⑥】インプレ

春先に初めて自分で組んだ手組ホイールのインプレ。


リムはMavic Open Pro UST 28H、
ハブはSelcofの28Hのオーソドックスなハブで、
スポークはSapimのLaser。
特殊なものを使っていないので、Open Pro USTの素性を知ることができればと思う。

先のブログに長々と書いたけど、全体の重量は1510gを少し切る程度。
28Hのなんの変哲もないSelcofのハブで組んだ割には良いのではないかと思う。
例えば、24Hで軽量なハブを使えば1400g以下にも問題なく行けるので、低予算で軽いホイールを組むのにも適していると感じた。 

タイヤは、シュワルベ Pro one チューブレス 25cを選択した。
Open Pro USTは内幅19mmのため、28c以上のタイヤを推奨しているが、25cをはめてみても問題なさそうなのでシーラントを入れてチューブレス化した。
適応外のサイズを使っているので何が起こるかはわからない。
ここら辺は自己責任で。
ちなみに23cのクリンチャーも装着はできたけどこれはさすがに何か起きたら嫌なので、
やめておいた。

ちなみに装着はめちゃくちゃ固い。
タイヤレバーでどうにか押し込んだけど、Open Pro USTはリムがペラペラだし少し不安。
マビックの純正USTタイヤで運用した方が良いと思った。

早速実走してみる。
空気圧はリムの上限の6気圧。
幅が適応外なので、ここは守ることにした。

シーラント量は片側20g。
だいぶ少なめだが、今のところさほど問題はない。
もちろん抜けはあって、2日くらいで空気圧はだいぶ変わる。
3,4日と連続して乗れないことはないが、1週間は持たない。
元々ラテックスチューブで運用してたバイクなので手間は変わらない感じだが、
チューブレスの場合、だんだんなじんできて抜けにくくなる印象。

乗り心地は、初めて乗ったので「?んこんなもの」っていうのが第一印象。
しかしこれはただ単に、すごく乗り心地がいいとかいう前評判を聞いていたので、期待値が上がりすぎていたんだと思う。
実際には、乗り心地はかなりよい。

改めて23cのクリンチャー(ハッチンソンのフュージョン5ギャラクティック)に乗って比べると雲泥の差であることに気が付く。

抵抗感は変わらないのに、乗り心地はだいぶ良く、なによりダウンヒル・コーナリングでの安定感が高く安心を感じる。
もちろん23cクリンチャーも、慣れの問題もあるので、問題は起きないのだが。
(実際23cを使っててスリップしたとか、なにか起きたことはないし)
知ってしまうとチューブレスに快適さを覚える。
タイヤの銘柄の違いを無視すると、23cクリンチャーだとグリップが不足しているように感じて少し怖い。


しかしもう一つの印象が。
グラベルロードで使っている33cチューブレスも、25cチューブレスも、
その良さはあまり変わらない気がする。
これは33cの方がブロックパターンだからかもしれないが同じ空気圧なら25cで十分に快適だ。
もちろん33cは4気圧程度で運用するので、乗り心地は優しいがその分抵抗も感じる。
この快適さや安心感がチューブレスの特徴なのであれば23cのチューブレスも試してみる価値はあるのかも。

とここまで全然ホイール関係ないが、USTの最大の恩恵はチューブレスなので...

ホイールとしての印象。
ブレーキは全然問題ない。
手組なのでこの辺が心配だったが、しばらく乗ってみてもずれてきたりはしていない。
ブレーキ面は特殊な加工はない普通の素材だけど、よく止まる。問題ない。

肝心の走りは感動するほどではないかな。
リムが軽いので、坂もよく走るけど、平坦で楽に40km出せるわけはない。
あくまで低リムの手組ホイール。想像以上を行く、魔法のような恩恵はない。
平坦の巡行なら、激重いリムのレーシングクアトロの方が速度は維持できる感じはする。

そもそもOpen Proはエンデュランスカテゴリー。
首折れの丸スポークで組んでいるので、どちらかというと快適性に振った性能になっているはず。
これはロングランで使いたい部類だが、リムが軽いため軽快感もおまけでついてくる。

また見た目もうねうねしたリムだし、素人手組の割には悪くない。

実は使う前までは28Cに懐疑的で、Open Pro USTって内幅さえ17mmなら完璧だと思っていたのだが、今は逆に28cにすることに興味が出てきた。

2018年6月7日木曜日

Strava KOMの奪還計画

- これは2018/6/7に開始した計画のメモ -

~ 導入 ~
2018年6月のある日。
私の一つしか持っていないStrava KOMを取られてしまった。
StravaのKOMはそのセグメントで歴代1位の記録という意味である。

KOMを持っていたと言っても、家の近所のセグメント。
ただ走る人が非常に少ないので、取れたKOMなので大した価値は無かったことは明らかである。
ただガチ勢が入ってきてKOMをあっさりと奪っていったという話。

このセグメントのデータとしては、
総長550m
獲得標高差37m
である。
ごく短い上り坂。
平均勾配は7%、きついところで10%を超えるくらいの普通の坂。

私のPBは、1:24で、平均速度は23.4km/h。
Stravaによる推定平均W数は404W。

塗り替えられた記録は1:04。この坂を33km/h程度で駆け抜けている。
ストラバの推定Wを見ると、彼は550W程度で上ったもよう。
一度ゆっくり上った後に、KOM取れそうだと思って、わざわざUターンして足を休めてから改めて出した記録のようだ。

私がこの記録を再度更新することができるかどうかを検討してみよう。
仮に1:00フラットを目標とする場合、700W程度1分間継続して出力する必要がある。
[参考:ヒルクライム計算]
700Wはインパクトのある数字だ。
仮に私の体重を70kgとするとパワーウェイト比は10.0である。

どうにか1分を切るのに、必要なパワーを減らしたい。
仮に5kg痩せれば30Wの節約、-10kgならば65W程度節約できる。
現実的に私はデブなので10kgでも痩せれるが、そんなに気の長い計画でもないので5kg痩せたらどうなるかだけを考えよう。

しかし人間の能力的に、1分感出し続けられる力ってどんなものなのだろうか。
ある例ではFTPの1.8倍くらいの出力を1分にわたって出せる方もいるよう。
この計算では、私のFTPが390W程度なければこのような記録は出せないという結論になる。

これはいくら何でも難しい気がする。
390WもFTPがあれば実業団で活躍できるレベルではないだろうか。

時に、トッププロは1分間ならパワーウェイト比10くらい出せるらしい。
やばいやつになると11.0とか。
もちろん私はトッププロはおろか熱心なアマチュアの方々に全くついていけないので、10倍なんて全く無理だ。
しかしこれはよい指標になる。
プロのパワーウェイト比は5.0~6.0らしい(FTPで測った場合)。
なので、FTPの1.8倍というのは悪くない値な気がする。

つまり本当にFTPで390W程度出せないと無理な話になる。
まぁ1分だけなので、なんか無茶苦茶やればできなくもないかもしれないが。

件のKOM奪取の彼は、550W出ている。
この数字とタイムから彼の体重を推測すると、50kg台後半である事が想像できる。
1.8倍の法則を適用すると彼のFTPは300Wくらいか。体は軽いのになんと強力な脚力か。
(しかし彼は65kg~75kgのカテゴリーに所属している。 なぞだ)

さて、5kg痩せたとしても370Wを1時間維持できなくてはいけない
これは10kg痩せるより現実的ではない。
雲行きが怪しい。

正攻法は厳しいそうなので、姑息な手を使てみてはどうか。
例えば初速度を稼ぐというのはどうだろうか?
例えば、45km/hくらいまで加速して侵入すれば、惰性で稼げる数秒はありそうだ。
しかしこのセグメントの入り口は曲道で、試してみたが30km/h以上の速度で侵入するのは困難。
かつ40km/h以上に加速しようにも、このセグメントが始まる前の段階ですでに上り坂基調の道なので逆につらい。

なので30km/h強で侵入し、35km/h程度まで加速し、途中でたれながらも30km/h以上を維持するのが最適。
途中でわずかに10%程度の勾配の区間があるので、そこはダンシングで乗り切る。

しかしこれはきつい。
インナーを使う場合、33km/hで走るには
90rpmで12T
100rpmで13T 
110rpmで14T
120rpmで16T 
を踏む必要がある。

フラットペダルでは無理だ。
通勤用のフラットペダルでやろうとしたが、
この勾配下では、これだけのケイデンスを維持できない。
フラットペダルだとダンシングでスムーズに回せないため、勾配が変化するところでダンシングすると失速が激しい。

そして普段ここを上るときは、シッティングで淡々としか練習していない。
というかただの通勤で通っているだけで、練習ですらない。
なので普段のタイムはよい時でPBよりだいぶ落ちる1:50程度。


そして練習では、たいていフラットペダルのシクロクロスバイクかMTB。
33cのブロックタイヤということ、それなりに重いことからロードと比べるといろいろつらい。
体感ではそんなに差がなく感じるが、データを比べるとやはりタイムは出ない。
推定W数では、このセグメント同じタイムで50Wくらい違いが出る。
1:50秒では15秒くらいアドバンテージがあるように感じるので、
このバイクで1:20切ることができれば、ロードバイクに乗り換えれば1:10程度まではタイムを短縮できそう。

第一目標は、このバイクで1:40→1:30→1:20までタイムを落としていきたい。
現時点で、このバイクでは1:50が最高記録。

【追記2018/6/10】
2時間半70㎞ほど走ってきて、それから頑張らずにこの坂を上ってみた。
(というか家の前なので上らないと帰れない)
結果は、1:56。256W。
少し重いロードバイクに水はボトル半分、鉄下駄並みに重いレーシングクアトロを履いているのでもう少し出力は出ていると思うがそれでも高々265Wくらいだろう。
1分を切ろうには、3倍の出力が必要。
何度か試したが、ヘロヘロの状態では1:48程度が限界。
やりたくなくなってきた。

ここでのタイムを目指すに向けて機材面や小技でどうにかなる要素を見てみよう。
まず、余分なものを外す。
ライト、ボトル、撤去しよう。
それで得られた1kgの軽量化は、7Wの削減に相当するらしい。

エアロ。
この計算で頭から抜けているのは、空気抵抗。
普段20km/h以下でしか上っていないので、なにも気にしてなかったが平均33km/hでのぼらなければいけないので空気抵抗は重要。
上ハンと下ハンで28Wの差が出るらしい。
これも重要だ。
転がり抵抗や、ギアの摺動抵抗も10W程度効くらしいので、ギア洗浄+オイルメンテもしておこう。
転がり抵抗も同様に最大て5W程度効くそうなので、チューブレスに適切な空気あつで走るのがよさそう。
これらの結果、計算上は私自身に求められる出力は630Wになった。

うん、全然やる気の出ない数字だ。


しかし今回の考察でひらめいた。
それは、追い風を使う手段だ。
追い風が強ければこの6%程度の勾配とは平地を上るようなものらしい。
平地を40km/hで1分もがくなど水を飲みながらでも余裕だ。
1分限定なら50km/hも行けるだろう。

結論①:追い風の日に走る!(もう実力では無理だという宣言に近い)

【追記2018/09/09】
FTPを測ってみた。
私のFTPは272Wしかなかった。
1分に発揮できる出力はFTPの1.8倍の法則を当てはめると、1分間に出せる最大出力は488Wとなる。

この出力で期待できる最高タイムは1分21秒程度。1分以上なので次第に減速するとすると、すでに達成している1:24はほとんどぴったりの値だ。

つまり現状では、記録を更新することは生理学的には不可能である。
パワーウェイト比で5(60kgならFTP300W、70kgならFTP350W)が必要であるようだ。
ツールなどに出る選手は、パワウェイト比6.0あるらしいので余裕でクリアできるな。

結論②:追い風の日に走る!(現状の実力では無理だという宣言)